N Projectの全体計画をベースに1棟を詳細に設計しました。
建物を単一の要素で構成するのでなく、さまざまな種類の小さな要素を重ね合わせるように計画しています。
デッキと連続する床やCLT(木の直交集成板)のユニットを地面から浮かせ、屋根をずらして配置します。これらの要素を隙間をあけて配置することで、中と外の環境が混ざり合います。
植物の間を通り抜けて緩やかな階段をのぼると、舞台のような浮床のデッキが全体を貫くように存在しています。
キッチンが2つのユニットをつなぐように配置され、素材の連続によりそのことがより強調されます。
手摺を兼ねた屋外用のキッチンをデッキに対して少し飛び出すように設置します。
2つのユニットはデッキに対して異なる高さに配置されており、移動した時に地上の植物との距離が近づいたり遠のいたりします。
半分開いたユニットに納められた小上りのベッドスペースはプライバシーが保たれながら外の自然へとつながります。
ベッドスペースから梯子を上ると屋根で覆われた屋上のデッキに辿り着き、周囲の景色を見渡すことができます。
さまざまな小さな要素を重ね合わせることで、延床わずか30㎡の小さな建物にたくさんの居場所と体験を生み出しています。
+ Project Data
所在地 | 岡山県
計画年 | 2021年
用途 | 宿泊施設
構造 | 木造
規模 | 地上1階
延床面積| 33.7㎡